淡彩日記

仏教お話会「心の中に辞書がある!?」のご案内

2023年06月13日 / 行事案内, 読める法話

令和5年7月16日(日)13時より弘仁寺で「仏教お話会」を開催しますのでご案内します。

心は言葉でできています。私たちの心の中には、真っ白なノートがあって、そこに誰かから聞いた言葉とその意味をどんどん書き留めているのです。赤ん坊の頃から、私たちは言葉の見た目(視覚)、音のトーン(聴覚)、匂い(嗅覚)、味(味覚)、肌触り(触覚)など、五感で言葉とその意味を感じ取り、メモを取り続けてきました。

大人になると語彙が増え、心の中には個々に異なるオリジナルな辞書ができます。ある人の辞書には五感を刺激するメモやイラストがたくさん書かれており、まるでカラフルでワクワクする百科事典のようです。また、別の人の辞書は、言葉とその意味が一つだけ書かれた英単語帳のような形をしているかもしれません。

そして、この辞書こそが、心に楽しみや苦しみを感じさせるのです。私たちの幸せや不幸の感覚は、この辞書の中身がどうなっているかによって大きく変わります。いうならば心の中の辞書こそが心の本体ということもできます。ですので、今回のお話会では、心の中の辞書に焦点を当て、注目していきます。

心の中の辞書は本来、常に改訂できるノートの集まりです。しかし、分厚い本や辞書、学校、親や友達、テレビ、映画、小説、論文、マンガ、アニメでおぼえた言葉の意味は、最初から固定されているように感じられるかもしれません。言葉の意味が心の中で変えていけるなんて、最初はなかなか信じられないでしょう。

他人から「正しい」と教えられた言葉の意味を心の中で変えていくのは、初めはためらわれるかもしれません。誰かから「この言葉は書き換えてはいけない」と言われたと感じる人は、心の中のノートに書いた言葉を修正するのに勇気が必要になるでしょう。

しかし、自分の心の中の辞書を書き換えること(改訂すること)は自分にしかできません。五感を使って再び体験し、心の中のノートを書き換え、心の中の辞書を改訂する勇気を持ちましょう。そうしたら、「ある言葉を聞いたら急に怒りが爆発する」といったことが無くなるはずです。

子供の頃から五感を通じて言葉を学ぶと、心の中の辞書が個々に異なるものだと信じられるようになります。その結果、相手の言っていることの意味が分からないときには、相手の心の中の辞書を読み解こうと思えるようになるでしょう。人を思いやるというのは、人の心の中の辞書を読むことなのかもしれません。そうなりますと、最初は意見が合わなくても、即座に相手が悪い人だと決めつけなくなるでしょう。相手の心の中の辞書を研究し、読み解いているうちに、相手と分かり合えるようになる可能性は残されています。

仏教では心の中のノートにどのように言葉をメモするか、そして出来上がった辞書をどう書き換えていくのかについて、何千年もの間、観察し、研究してきました。心の中の辞書の書き換え方を学ぶことは、心の中を明るく豊かにしていくためにとても良い学びとなるはずです。

ご興味のある方は、どうぞお気軽にお越し下さい。

「仏教お話会」

日時 7月16日(日)13時から16時

場所 弘仁寺 長崎市出雲1丁目17-23

参加費 3000円

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