淡彩日記
4年ぶりの長崎へんろ
長崎四国八十八ヶ所霊場、四日間の春の大巡拝が今日(4月3日)から始まりました。
(写真は今日の弘仁寺のお巡りの様子です)
毎朝8時から寺町の延命寺を出発して、夕方4時過ぎまで長崎市内各所の霊場巡拝をいたします。
四年ぶりのお巡りで、先達をさせていただくのも久しぶりです。どうなることかと緊張しておりましたが、実際に始まってみると、35人くらいで黙々と一列に歩き、1ヶ所ずつ札打ちを続けているうちに、普段の散歩や運動で歩く時とは違う、不思議に高揚した感覚になります。
お遍路さんの一人として、一心不乱に脇目も振らず、ただ何も考えず、歩くことだけに没頭する時間は、この何年もありませんでした。
そして、今日のお巡りが佳境に入り、夕方になったころ、疲れ切っているはずの足が不思議と軽くなり、ふとした時に巡拝するお遍路さんの列の中に、お大師さんの気配を感じる瞬間が訪れました。
お遍路さんとして大勢の修行者の列に混じって歩いている時に、同行二人(どうぎょうににん→お大師さまと二人連れでの修行の時間がなんとうれしいことだろうか)という言葉が、「あぁ、その通りだなぁ」としみじみと感じられるのです。
(あぁ、そうだった、私が仏道に進むか決めようと思って初めて長崎遍路に参加した時に感じた、何かから背中を押されるような、言葉にできない、ありがたい不思議な感覚はこれだったなぁと、思い出していました。)
お巡りが始まる前は、相当疲れるだろうと覚悟しておりましたが、たくさんのお遍路さん方の元気なお姿に背中を押してもらって、明日も朝からお遍路さんのお手伝いを頑張れそうです。
4月6日まで、長崎市内でお遍路さんの姿を見かけた時には、70年続く長崎遍路、長崎のお遍路さんたちの歴史が今も続いておりますことに思いを馳せていただけましたら幸いです。